2014-08-28

珠洲焼の陶片

珠洲焼の好きな僕へお客さんが貴重な珠洲の陶片を下さいました。 現代で本来の珠洲焼を再現して作られた作品は数個所有していますが、1200年〜1300年頃のとても貴重なものを頂きました。 IMG_6174 珠洲焼は、12世紀後半から15世紀末にかけて能登半島の先端・珠洲郡内(現在の珠洲市周辺)で作られた中世を代表する焼物です。14世紀には日本列島の四分の一に広がるほど隆盛を極めましたが、戦国時代に忽然と姿を消しました。以来、「幻の古陶」とよばれてきた珠洲焼ですが、わずかに残された断片からその姿が明らかになるにつれ、素朴で力強い美しさが人々の心を魅了しました。 珠洲焼は、古墳時代中期に大陸から伝わった須恵器(すえき)の流れを汲んでいるといわれています。鉄分を多く含む珠洲の土を、粘土紐で巻き上げた後に形を整え、それを1200度以上の高温で焼く「燻べ焼き(くすべやき)」という技法で作られ、コーティングの役割を果たす釉薬は使わず、高温で溶けた灰が自然の釉薬となり、素地も炭化して珠洲焼独自の灰黒色の艶を生み出します。 日本各地に広まった珠洲焼は、15世紀後半に突然途絶えてしまいますが、その理由については、今日まではっきりとは解明されていません。当時台頭してきた他の窯のように大量生産に対応できなかったためともいわれていますが、作り手が確保できなかったのか、なんらかの事情で素地となる材料が手に入らなくなったのか、あるいはあえて大量生産を拒んだのか…今なお多くの謎に包まれています。   IMG_6167 唐津などの陶片は見せて頂いた事は多々ありますが、珠洲の陶片は初めて見ました。 この陶片と共に、珠洲のお話も沢山聞かせて頂きました。 嬉しい限りです。 IMG_6168 これらの陶片は1200年から1300年くらいのものらしいです。 鎌倉時代です。 鎌倉幕府のころの名も無い陶工が作った陶器の破片が手元にあると思うと不思議な気持ちになります。        ]]>

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